油ってすごく身近な存在のようで、自給するのってすごく大変だと身にしみて理解した話です。
事の経緯
家の周りにはヤブツバキが群生している林のようなものがあり、秋頃になると道にコロコロと椿の実が転がってくる。運悪く(?)車道にとどまったものは、車にひかれてアスファルトに油がベタッとついている。そんなひかれた椿の実の残骸を見ていて、ある日椿油をとってみようと思い立った。
まずは椿の種集め。これは簡単にザル一杯集まった。
これから油を取り出すわけだけど、調べてみると、蒸してから圧搾する方法と煮て浮いた油をすくい取る方法があるよう。圧搾するには強い圧力が必要で人力では難しそう。今回は比較的簡単そうな煮る方法を選択した。
いずれにしても。まずは硬い殻を割って中身を取り出さないといけない。少しずつブロックで叩いては手作業で殻を外す根気のいる作業。
やっとの思いで372gの中身が集まった。それからさらに抽出効率を上げるため、すり鉢ですりつぶす作業が始まる。
少しずつすりつぶしては出してすりつぶしての繰り返し。それを水を張った鍋に投入して火にかける
煮続けるとレモン色の乳濁した油が浮いてきた。これをおたまですくって瓶にいれて静置する
すると油と水が二層に分離した。上層が油だが、水が混じって乳化している。そこで、上層をすくい取り、鍋にいれて加熱すると水分が蒸発しやっと黄色く透明な美しい椿油となった。
茶色に浮いているのは焦げたデンプンかなにかと思われ、キッチンペーパーで濾せばさらに綺麗になるだろうが、ペーパーに吸い取られたらもったいないので箸でそっと取り除く程度にしておいた。
結局半日ほどの時間をかけて取れた油はわずか50g足らず。殻を割る前の重量からすると約10分の1だった。下手すると一回の料理で使い切ってしまいそうな心許ない量。
毎日こんなことをしているわけにもいかないので効率化しないと!今後簡単な手法を模索していきたい。
声を大にして再度申し上げたい。
油は貴重品です。