今話題のスーパーフード、タイガーナッツを日本で無農薬、無施肥栽培してみたレポートです。
最終目標はオルチャータを飲むこと!
タイガーナッツとは
タイガーナッツはカヤツリグサ科ショクヨウガヤツリの塊茎。ナッツとはいいますが、木の実ではなくて草ですし、木の上でなくて土の中にできます。ちょうどじゃがいもみたいなイメージで、細い根の先にできる肥大した部分です。
日本ではまだ新参の食べものですが、スペインでは「オルチャータ」という、タイガーナッツをしぼったミルクを日常的にのんでいるそうです。 植物由来のミルクなので、日本でいう豆乳みたいなものでしょうか。
タイガーナッツ自体はちょっとココナッツに似た風味と少しの甘みがあり、皮が若干気になりますがシャキシャキしてそのままでも美味しく食べられます。
タイガーナッツはスーパーフード
タイガーナッツのもう一つの側面として、日本で昨今話題のスーパーフードでもあります。
スーパーフードとは、何か栄養素や機能性成分を高含有する”食品”(←ここ重要)。昨今は健康食品全盛の時代ですが、元をたどると廃棄されていた可食部でない部分を加工したものがほとんど。もともと食べられないものを原料とするわけですから、苦いとか渋いとか、味が悪いので錠剤やカプセルにしないととても食べれないわけです。
そんななかスーパーフードとはそもそもが食品なので美味しく食べられる。やっぱり健康食品は食品ですから、美味しくないと続けられません。スーパーフードが流行るのもわかる気がします。
ちなみにタイガーナッツには食物繊維やビタミンEが豊富だそう。たしかにナッツというだけあって、同様の栄養成分ですね。
タイガーナッツの育て方
本題から大きく脱線しましたが、栽培の話に戻します。
日本ではまだほぼ栽培されていないため、情報がありません。wikipedia(アメリカ)で調べたところによると、以下の通りです。
・種まき:4~5月
・生育期間:90〜110日
・収穫期:11~12月
・土質:水はけのよい砂地。pH5.0~7.5弱酸性~中性
・畝間:60cm(1条植え)
・植えつけ間隔:15~20cm
・植えつけ深さ:8cm
日本の気候とは厳密には一致しないのでしょうが、とくに違和感はないですよね(植えつけ深さはこんなに深くていいのか疑問ですが・・)。
去年は失敗!
実は去年もチャレンジしましたが、このタイガーナッツ、地上部がわりと貧相で、当時は土にそのまま種を埋めたためイネ科の雑草に紛れてしまって除草がうまくできず、夏には手がつけられない状態になり半ば放置していました。
(参考画像)
タイガーナッツはこんな感じで細長い葉をつけます。地際から直接葉が生えますので、さほど背が高くなりません。一番やっかいなのは他のイネ科の雑草と見分けにくいこと。畑によく生えるオヒシバなんかと混ざって生えると、雑草だけ選んで除くなんて至難の業です。
とにかくこまめな除草が必要です。
タイガーナッツを探せ
雑草もタイガーナッツも枯れた冬。だめ元でスコップで土を掘り返したところ、小粒のタイガーナッツがかろうじてできていたのでした。
全部でたったこれだけ。
これではタイガーナッツミルク(オルチャータ)作ったら全部使い切ることになりそうなので、次年の大豊作を期待して種として保管しておりました。
そして今年
そんな去年の失敗を糧に、今年は満を辞してマルチで対策して挑みます。
去年とれた種が小粒のため芽が出てくれるか心配ではありますが、強い植物なのでおそらく大丈夫でしょう。
まずは水につけて吸水させ芽を出します。
何日かたつと、こんな感じで出てきました。
それを畑にひと穴3,4粒ずつまいていきます。 深さは2cmぐらいでしょうか。wikipediaを完全無視。8cmは本当に大丈夫かちょっと不安なので。普通は種サイズと同じぐらいの深さに植えると言うし・・
植え方は株間30cmの2列植えにしました。
ここからは時系列でタイガーナッツの成長の様子をご紹介。
2017/5/21
無事芽が出てすくすく成長中!
2017/6/4
ひとつの株が分けつしてどんどん増えてます。
2017/6/19
さらに分けつしてワッサワサです。
マルチのおかげでオヒシバの猛攻もなんとかしのげています。これをより分けて除草するのは無理ですよね。
2017/7/8
草丈60cmオーバー
ここまで病気もなく、壊滅的に葉を食べる虫もいません。
2017/8/26
随分枯れ込んできました。まだ暑いんだけどな。生育期間3〜4ヶ月ということで、たしかに4月の植え付けからちょうど4ヶ月くらい。
2017/9/19
ほぼ枯れたため収穫してみます!
収穫はいかに!?
スコップでごぽっと掘り上げて、土を払い落としてみたら、
少なっ!
一株でこれだけ(泣)。どの株も似たり寄ったり。とほほ
細い葉がたくさん出ている株は、細かい超小粒のナッツが密集している。謎。
結局10株だけ掘って、あと30株ほどはもう少し様子見にしました。収穫時期は11〜12月だけど、枯れてからでもナッツは太るのか??
負け戦の予感しかしない、、
洗ってみると、虫食いもかなりあることがわかりました。たぶんコガネムシの幼虫の仕業かなあ。堀ったときに出てきたし。
別記事でオルチャータ搾りましたが、コップ一杯分でした(泣)
考察
タイガーナッツの栽培地はスペインのバレンシアやアフリカで、乾燥した地域のため、日本では多湿過ぎた?
マルチもしてるしより過湿状態だったのかなあ。とはいえ雑草予防でマルチは欠かせないし。改善するなら高畝にすることかな。
もうひとつ、種芋を植える深さが重要だと書いてあるスペインのHPがあって、4-5cmほどがいいのだそう(なお、wikipediaは8cm)。
The depth of plantation is from 4 to 5 cm. The thickness of sowing is an important aspect, since the yield and the quality of the tuber depend in a great part on it.
(植えつけ深さは4-5cm。種まきの厚さはタイガーナッツの収量と品質に大きく関わる重要なポイントです)
(http://en.chufadevalencia.org/ver/14/Tigernut-cultivation.html)
わたしは2cmくらいしか埋めてなかったから、それも次回の改善ポイント。
来年までによく考えて、来年も再チャレンジしたいと思います!
(その前に11月ごろの最終収穫の可能性も信じたい!)