私の奥さんは台湾人です。
そんな突然の告白は置いておいて、
奥さんが家でとれた白菜で思いついたように白菜の漬物を作り始めました。中国語で「酸白菜(酸菜)」という漬物です。
日本の普通の漬物は大量の塩で漬け込んで乳酸菌の働きを抑えますが(徐々に野菜の水で塩が薄まって乳酸菌が活動しだすと酸っぱくなっていく)、酸白菜の場合は最初っから乳酸菌をフル稼働させて乳酸を出し酸っぱくするという、違うアプローチの漬物です。
いずれにしても、塩で雑菌の活動を抑えるか、酸で雑菌の活動を抑えるか、保存のための古来の知恵であることには変わりありません。
この酸白菜、白菜が持つ乳酸菌による発酵でその名の通り酸っぱさが特徴です。
酢のようなつーんとくる酸っぱさではなくて、まろやかな酸っぱさで、白菜の持つうまみと相まってそのままでも十分なうまさ。ただ台湾では鍋にしたり、炒めたりして、調味料兼具材のような食べ方が一般的。ここも日本の漬物の概念と少し違いますね。
0.8%程度(舌にちょうどいい塩加減)の沸騰して冷ました塩水に白菜を漬けるだけ。発酵の助けに小麦粉を加えたり、米のとぎ汁を加えるとか、一度白菜を湯通しするとか、いろいろ手法はあるそうだが、とりあえず一番シンプルなものを採用。2週間ほどでできるそうだ。
その後
存在を忘れ、1ヶ月ほど経ってしまった。
水にも色がついて、白菜も少ししなーっとしてます。そして水面には、、
白い膜が。この膜が白なら成功。黒だったりしたら腐敗。こう見極めるそうです。白黒はっきりさせるとは、ここに由来するとかしないとか(ウソです)。
成功らしいのでいざ開封。濃い塩水でないので、あまり水分が抜けた感じはないが、香りは完全に発酵している。酸っぱさとアブラナ科野菜特有の少しツンとする香りが混じったような感じ。においは問題なさそうだ。おそるおそる味見したが、美味しかった。
酸白菜を使って定番の鍋を作ってくれました。
たっぷりの酸白菜に、酸白菜の漬け汁を加え、水でのばして塩で味を整えたもの。酸白菜鍋には定番具材の豚バラや春雨などを煮込みます。漬け汁は酸味もさることながら、白菜からうまみが溶け出していて素晴らしい調味液になっている。
台湾だとこんな風に醤油やゴマ油、ニンニクなどを調合したつけダレにつけて食べるのが一般的だけど、塩からいつけダレにつけるとどうしても素材の味、せっかくのスープがかき消されてしまう。
日本人ならやっぱり酸白菜と豚肉のうまみが効いたスープを楽しみながら、少しずつタレを足して、味を変えながら楽しむのがおすすめ。さっぱりしているので白菜がどんどん食べられます。酸っぱい鍋って、新しいジャンルだなあと。
これからの白菜料理の定番になりそうだ。