日本人で油を自分で作っている人ってほとんどいないと思う。
野菜は無農薬だとか有機だとかこだわりを持って、家庭菜園なんかやったりしてるけど、油については、まあ、不飽和脂肪酸とか、低コレステロールとか、そういうものを買うぐらいまでかな?むしろ、油というものはひとくくりにできるだけ控えましょう、という考え方が一般的のように思う。日本人の食習慣がもともと(もこみちを除いて)油の摂取量が比較的少なく、食の欧米化ということであくまで量を懸念していることが背景にはあるのだろうと思う。
一方油の摂取量が多い海外では油に対して日本人より関心が高いようで、
アメリカではトランス脂肪酸摂取が悪玉コレステロールを増加させ心臓病のリスクを高めるということで、 食品への含有量表示が義務付けされ、また2018年からは水素添加という油を常温で固形化する手法(マーガリンやショートニングなど)は禁止になるそうだ。
中国、台湾では地溝油という食用にならない油が市場に流通していることが数年前社会問題になったことは記憶にも新しい。
まあ、悪質かどうかはさておき、共通するのは市販の油への不信感だろうか。
そんな背景からか、海外では自分で由来のわかる油を作りたい、というニーズがあるらしく、家庭用搾油機(電気式、機械式)なるものがいくつも市販されている。
日本でもやっとというべきか、最近ではいい油をとることは健康にも良い、という概念が広がりつつあり、エゴマ油やアマニ油など、良い油の人気が出ている。
ただ、まだ油を自分で搾るというところまでには達していないようで、日本のメーカーの搾油機への参入は知る限りいまのところない。そもそも、日本では油を搾るための原料も入手しづらいし、ナッツ類なら高過ぎるし(むしろそのまま食べたい)、環境も全然整っていないのだろう。
そんなこんなで世間的には安全安心なものをという考えから油の自給に走るようだが、私はというとその点あまり関心はなくて、ただただ自分で全部やりたい、ということに尽きるのですが。
いずれにしても椿油で大変苦労した私としては自分で油を絞る選択肢が日本でも増えるといいなあと思うのでした(日本が安全安心の国だと喜ぶべきでしょうか?)。