こんにちは、魚よりラーメンが好きな、まねきねこです。
先日、自宅製麺業界では有名な小野式製麺機を入手しました。状態も良く満足してます。
型式としては小野式製麺機2型両刃(2.2mm+6.3mm)です。実はもう3台目の購入でかさばって困るけど全部可愛くって手放せない・・汗
今回、昭和のビンテージ製麺機の雄「小野式製麺機」の歴史と現代の応用、そして入手方法についてご紹介します。
小野式製麺機について
小野式製麺機の歴史(その他ビンテージ製麺機含む)
小野式製麺機は昭和時代の鋳物でできた製麺機。小野機械製造所という埼玉県のメーカーが作っていました。「小野式」とわざわざついていることからもわかりますが、当時は似ている中にも各メーカーの技術が詰め込まれた製麺機がいくつか発売されていたようです(田中式、東沢式など)。その中でもこの小野式製麺機は現存数が圧倒的に多く、当時圧倒的トップシェアだったことが推測されます。
現在の価格にすると5万円以上の価値だったそうで、そんなものが売れるのかと思いきや、当時は小野式同様の製麺機を作るメーカーがいくつかあったことからも、やはり売れていたのでしょう。
当時はうどん作りに重宝されたようで、米が贅沢品で小麦しか食べられない、そんな時代背景を感じさせます。貧乏なくせにこんな高価な製麺機買う余裕があるのか?とツッコミが来そうですが、現代でもいまだ現役なことからお分かりいただけるとおり「一生使える製麺機」ですから、親から子へ代々受け継いでいけるものだったのでしょう(勝手な推測)。
しかしお米が普通に食べれるようになった近代、小野式製麺機は需要がなくなり、製造していたメーカーも現在ではすべて廃業。表舞台からは姿を消し、所有していた家庭で密かに使われるか、倉庫の奥で眠ることになります。
そして現代。米離れは進み、小麦は貧しさというより欧米のおしゃれで魅力的な存在になり製麺機の需要も復活。しかし長らく表舞台から姿を消していた小野式製麺機はすでに人々の記憶からは消え、製麺機といえば舶来物のパスタマシンの時代となりました。
ところがその一方でラーメンブームが巻き起こり、自作ラーメンという趣味が誕生。非力なパスタマシンをラーメンの自家製麺で破壊する人が続出します。路頭に迷っていた自家製麺家に小野式製麺機の存在が知られると、鋳物で超頑丈という特徴が、加水率が低く機械への負荷が大きいラーメン用の製麺に適していると再評価され人気に火がつきました。
というわけで昭和のうどん用製麺機は平成のラーメン用製麺機として華麗に転身し、時代を超えて愛される道具になったのでした。
小野式製麺機の種類
小野式製麺機の種類については、以下小野式製麺機の説明書をご覧ください。
・大きさは3種類(1型、2型、3型)
・片刃か両刃かの2種類(1つの機械についている切り刃が1種類か2種類か)
・切り刃は5種類(1.3mm、2.2mm、2.7mm、4.2mm、6.3mm)
その他、ハンドルの形(棒だったり、湾曲した棒だったり、丸だったり)、ギアカバーの有無など細かい仕様は沢山ありますが割愛。
重要なのは大きさと切り刃ですが、市場での流通量でいくと1型片刃2.2mm、1型両刃2.2mm+6.3mmの2つが圧倒的。その次に2型の片刃2.2mmか2型両刃2.2mm+6.3mm。
1.3mm、2.7mm、4.2mmの切り刃はなかなかお目にかかれず、さらに3型というサイズはほとんど見られない超レアです。
小野式製麺機を必要とする人
小野式の歴史でも述べましたが、小野式製麺機の魅力はなんといっても頑丈さ。これに尽きます。あとはプロダクトとしての造形美・・でしょうか?
逆にデメリットは、沢山あります(笑)
- 中古しかなく個体差が大きい
- 切り刃の選択肢がほとんどない(実質2.2mmだけ)
- 重いしかさばる
- 値段が高い(vs.パスタマシン)
ラーメン作りでも普通~多加水(35%~ぐらいかな)であればパスタマシンでも十分可能。なので本来小野式製麺機は「自宅で低加水ラーメンを作りたい!」という超ニッチなニーズにのみおすすめできる物です。しかしこれだけ小野式製麺機の人気が高まっているのはやはりそのプロダクトとしての男らしさ、カッコよさによるものではないでしょうか。
私自身も別にパスタマシンで十分だよな、と落ち着いて考えると思ったりします(笑)でもやっぱり手放さないのは、持っているだけで誇らしい、「日本のものづくり」を感じるから、でしょうか。
ところで、入手しやすい2.2mm切り刃はラーメンで言う中太麺ぐらいの太さになります。麺帯にするところまでは小野式で、そこから麺線にするときはパスタマシン、という運用をすれば、低加水~多加水、細麺~太麺まで自由な製麺が可能になります。
小野式製麺機の入手方法
ここまで読んでもまだ小野式製麺機が欲しい!という人は合格です(笑)
小野式製麺機の入手方法としては、ネットで探すのが一番。リサイクルショップにはまずないでしょう。
ヤフオク!
ほぼ毎日新しい出品があり、ボロボロのサビサビのものから倉庫に眠っていた当時の新品(激レア)まで物量超豊富。ここで探すのが一番というかほぼ唯一。
最近はボロボロのものをきれいにレストアして販売する方がおり、状態も価格もピンキリです。ボロボロのものは低価格とレストアする楽しみがありますが、動作するか(特に切り刃の切れ味)はすこし博打要素ありですね。
2017年、ネットの口コミで認知が広まったことと、タモリ倶楽部でテレビ放映されたことがきっかけで相場が高騰。お値打ちには入手しにくくなりました。とはい整備して綺麗な状態での出品も増えたので安心して買えるようになった、とも言えるかも。
メルカリ
出品は2~3ヶ月に1回ぐらいごくたまにあるかな程度です。とはいえメルカリならではのフリマ出品で掘り出し物が出ることがありますのでアラート登録ぐらいはしておいてはいかがでしょう?
(わたしも掘り出し物をメルカリで購入しました)
番外編:鋳物式製麺機
ビンテージ製麺機ブームを受けたものか、小野式製麺機のレプリカ品のようなものが今現在新品で製造されています。こちらも候補にどうぞ(メリットデメリットのほとんどは同様ですね)
あるいは、こんな製麺機もあります。
最後に
いかがでしたでしょうか?小野式はほんとにかわいいヤツですよ。
入手を検討されている方は、後で必ず欲しくなるので最初から2型以上を入手されることをおすすめします。
さもないと、かさばる上に重い製麺機が増殖します。さらには、愛着が湧いてどれも手放せなくなります(汗)
それでは、良い製麺ライフを!
<関連記事>
ボロボロの小野式製麺機を整備する方はこちら
小野式製麺機で早速製麺にかかる方はこちら